青き月が夜空を照らす泡沫の刻・・・その月光差し込む大舞台で我らの舞う姿をご覧あれ
ペルソナ
▼CAST▼
ウェラー
仮面の少年

チョコ
騎士団長

お付き
団員A
団員B

黒子A
黒子B

黒子C

黒子D

少女

友達
ウェラー(陽菜)
柊 琉姫

ビターチョコ
水飛白
(水島 和夫)
紅暁
京紫
レキ

紅暁
烏兎
(ビターチョコ)
水飛白
(水島 和夫)
レキ

ミルクチョコ
(ビターチョコ)
萃夢(紅暁)
<プロローグ>
黒子A

黒子B

黒子C

黒子D

黒子A

黒子B

黒子C

黒子D

黒子A

黒子B

黒子C

黒子D



仮面の少年

人には表の顔と裏の顔がある…

人は嘘と本音を使い分ける…

しかし、生きるためには必要なこと…

果たしてそうかな…

では、なぜ人は争うのか…

戦いには欲望、妬み、怒り、憎しみ…

悲しみなどの感情しか生まれないというのに…

その感情を持っているから戦うのであろう…

感情を表に出してしまうから争うのか…

感情を隠していれば争わないのか…

なら、感情を隠すにはどうしたらいい…

気づかないのか、お前たち…
お前たちは感情をすでに隠しているではないか…
…その身に付けている仮面こそ、すべてを隠す魔法の仮面…

「ペルソナ」なのだ…
さぁ、皆も仮面を付けて
今宵、楽しい一時を…
困惑と悲壮感の満ちるこの世界で
過ごすがいい…
<第1幕>
団員A


団員B


団員A



団員B



団員A







団員B

ウェラー


団員A


ウェラー




団員A

団員B

団員A

団員B


団員A

団員B

団員A

団員B

団員A


団員B

団員A

団員B




ウェラー




チョコ


ウェラー



チョコ









ウェラー






???

ウェラー

仮面の少年








ウェラー


仮面の少年

ウェラー



仮面の少年

ウェラー

仮面の少年



ウェラー

仮面の少年



チョコ


ウェラー

仮面の少年

ウェラー


仮面の少年




ウェラー


チョコ



ウェラー


チョコ

ウェラー

だから俺は言ってやったのさ!
「私はこの世界に住む人々のためならば、命さえ惜しくありません」ってな!

おお〜
これでお前の職位もワンランクアップって感じだな…

そしたら副団長も「えらいぞ!」って感動しちゃってさぁ!
ま、こんなセリフでランクが上がるなら何度でも言ってやるよ
そしたらすぐにロイヤルガーディアンへの仲間入りさ!

ロイヤルガーディアンね〜
さすがに王家直属の騎士団は無理じゃねぇの?
せいぜい、ロイヤルナイツ止まりだよ┐(´ー`)┌

そうか?

(ウェラー登場)

お、よう!ウェラー!
また、副団長に怒られたらしいじゃん!
騎士団員としての自覚がないんじゃねぇの〜?

いや、もともと素質がないんだよ

…あぁ、口だけのような奴がいる騎士団には
所属している価値ないかもな…

…なんだと!
それじゃ、俺には力がないっていうことか!

ま…、そう自分で思うのなら、そうなんだろうな…
気に障ったのなら失礼…

(ウェラー退場)

おい!ちょっと待ちやがれ!

なんだよ、ウェラーのやつ…

自分が認められないからひがんでいるのさ…

負け犬の遠吠えってやつか?
ま、お前は力よりも口から出た言葉のほうが強そうだがな…

ピーマン食えねえやつにいわれたかねえよ

そだよな〜

大体、俺の力は実戦向きなんだよ!

にんじんもくえないのにな

まったくだぜ
腹も減ったし・・

もう行こうぜ、明後日には討伐へ出発だからな。

そうだな、体の調子を整えておかないと…

ピッキのからあげくいてえ〜
あ、俺もピーマン嫌いだったな(ボソ



ただいま、姉さん
姉さん?
姉さんは・・
姉さん

うさぎ美味し〜かの山〜♪
あら、おかえり〜

ただいま・・

(ウェラー、チョコとすれ違うように退場)

あ…また出かけるの!?
もうすぐご飯だからね〜!
もぅ!相変わらず無愛想なんだからー
それにしても…
ああっ、お料理が焦げちゃうわ!
せっかく捕獲した今日のメインディッシュ〜〜!

(チョコ退場)


いまいましい奴らだ…
嘘をついてまで騎士団長に媚びを売るのがそんなに良いことなのか…
力もないくせに…
心にもないことを平気で言える奴らの言葉を
信じてしまう上層部か…
父さんが所属していた頃はもっと…

久しいな、ウェラー…

き、貴様…

この私に対して貴様よばわりか…
昔のお前からは想像もつかないセリフだな…
昔はもっと…

(ウェラー、仮面の少年に攻撃をしかける)

おいおい、急に襲ってきても困るよ…
いくら私でも、準備というものがあるというのに…

黙れ!
貴様と最後に会ってからだ…



時々、奇妙な仮面を付けている人が見えるようになったのは…
仮面について尋ねても「つけてない、知らない」と言われ続け…
気づけば、まわりからは「変わり者」と呼ばれるようになった…

変わり者か…

何がおかしい!

いや、よく言ったものだと思っただけさ…
変わり者はお前じゃないのにな…
…今もまだ見えるのか?

・・・

そうか…

(遠くからチョコの声)

ウェラー!もうすぐご飯よ〜〜!
遠くには行ってないでしょ〜?戻っておいで〜〜!

…!

お前を呼んでいるようだな…

あんなに大きな声で呼ばなくても…
姉さん・・

ね、え…、さん…
くっ…、急に頭痛が…

(仮面の少年退場)

ま、待て!
急に何だよ…

あっ、いたいた!
もお〜、ルナティックの赤ハブ焼きが冷めちゃうでしょ!
早く帰ってきなさいよ〜

…わかった
姉さん…

ん、なぁに?

・・・いや、何でもない・・
…戻るよ
<第2幕>
チョコ





ウェラー

チョコ


ウェラー

チョコ


ウェラー

チョコ

ウェラー

チョコ


ウェラー

チョコ


ウェラー

チョコ




ウェラー

チョコ


ウェラー

チョコ


ウェラー

チョコ

ウェラー




チョコ











騎士団長

チョコ

お付き

チョコ


お付き

チョコ

騎士団長


チョコ


騎士団長



ウェラー


騎士団長


お付き

チョコ




お付き

チョコ





お付き


チョコ


騎士団長

チョコ







お付き

騎士団長

お付き






チョコ



騎士団長


チョコ


お付き


騎士団長

チョコ


騎士団長


チョコ

お付き

騎士団長



チョコ

お付き



騎士団長

チョコ



騎士団長

チョコ



騎士団長

お付き

騎士団長

チョコ

騎士団長

チョコ


騎士団長

お付き




チョコ







騎士団長




チョコ




騎士団長




チョコ

お付き



チョコ






ウェラー




仮面の少年

ウェラー

仮面の少年

ウェラー



仮面の少年



ウェラー


仮面の少年


ウェラー








仮面の少年

さてと、今朝の新聞の1面は…
…ふむふむ…
やっぱり騎士団の討伐失敗の記事か…
あの騎士団でも失敗することがあるのね…
あ、おはよう

…おはよう

ご飯はそこに置いてあるからね
ニンジン残したらおしおきよ!

・・・食べるよ・・・

ほら見て、新聞に先週討伐に行った騎士団の事が載ってるわ
失敗についていろいろ書かれているみたい…



負傷者もたくさんいるんですってよ〜



はぁ〜、ほんと無関心なのねー
まぁ、騎士団から除隊したから無理もないか…

…あんな編成で勝てるほうが奇跡だ

そう…、私がいた頃とはずいぶん違うみたいね…
昔はもっと厳しくも暖かい人達がいる部隊だったのに…

出かける…

あ、ちょっと待って…
…待ちなさい!
ウェラー…、前から聞こうと思っていたけど…
…何かあったの?

…何もない

いいえ、何かあったはずだわ…
あなたの笑顔…、私、この頃見ていないもの…

・・・

あなたにとって、私はたった1人の家族よ?
心配ごとがあるなら…

…仮面が

…!?

いや・・・
何でもない・・

(ウェラー退場)

あ、ちょっ…
もう!逃げるように消えるのは昔と変わらないんだからー
昔…
そういえば、昔、変わった人がたくさんいるって
私によく話してたっけ…
確か…「仮面を付けた人がたくさん」…
あれは、どういう意味だったのかしら…
あら?誰か来たみたい…
どうぞ〜

(騎士団長とお付き登場)

久しぶりですね、チョコさん

あらら、騎士団長様がこんなところにいらっしゃるとは…

やっほ〜!チョコ姉〜、ご機嫌麗しゅう〜♪

う、うるわしゅう〜
…あなたも昔と変わってないわね

にははは〜

…で、騎士団長様がこんなところに何の御用かしら?

そんなそっけないことを言わないでください
私だって好んで騎士団長をやっているわけでは…

そうね…
あなたに騎士団長としての器はないものね

まあ…そういわれても無理はありませんね

(ウェラー、舞台端に登場。隠れるように座る)

なぜ、騎士団長がこんなところに…
何を話しているんだ…

セカン様…貴方の父上が遠征に出ていなければ
私が騎士団長などには就いてはいないでしょう

それに、チョコ姉が所属していれば後任は間違いなく・・・

紅くん…、私にはそんな力はないわよ
それにね
父さんは何処かでまだ生きてるはず
私にはわかるの…

セカン様は遠征に行かれて、そのまま行方知れずだったね・・・

うん…
父さんが何故いなくなったのかはわからない…
当時、父さんと一緒に遠征に出た方々も
誰一人として父さんの話をしないのよ
だからかな…、騎士団の中で…

セカン様が王様を裏切って逃げた…
そういう黒い噂も出ていましたね…

つまり、私は裏切り者、もしくは臆病者の娘…
その私が騎士団をまとめることが出来ると思う?

心無き者達の言葉です、あなたが力を見せつければ…

だから、あなたには団長としての器がないと言ったのよ
物事を力で解決したところでどうなるというの…
全員から信頼されて、そして、まとめるのが団長なの
力があるから、何でも出来るから団長になれるわけじゃないわ
相手のことをきちんと理解して、接することが出来る人材
それに力が加わってこそ、心をまとめることができるの!
力だけでは、彼らの心を支配するのと変わらないのよ…

なるほどナルホド〜

確かに…セカン様は皆から信頼されてましたね…

だからこそ、皆の信頼を裏切った代償が大きいということか〜
でも・・・
そんな黒い噂を信じた人たちって・・・
セカン様を表面上しか信じてなかったって事でしょ〜?
僕や水飛さんは、今でも信頼してますから♪
きっと何か理由があるってね〜

ありがとね
それよりも…、この失態はどうしたの…
騎士団には屈強のメンバーが揃っていたじゃない

ええ…実はそのことについて相談が…


…なるほどね
確かに騎士団長としては軽率だわ…

でしょ〜?
ほんっっと、今の騎士団長は駄目ダーメですよぉ・・・

は…返す言葉も…

でも、なぜ単独に動いたの…
いくら任務が片付いたとはいえ、騎士団長が現場を離れるなんて…

それなのですが、実は…
とある筋から、セカン様らしき人物を見かけたという話を耳にしまして…

父さんが!

セカン様が!

ええ…王の命令で遠征に行ったまま、行方不明になって数ヶ月…
真相を確かめるために、副団長に後処理を任せたのですが…
まさか、その隙に襲撃されるとは…

父さん…

でもさぁ・・・ボ・ク・だ・け・には教えて欲しかったなぁ♪
幼馴染みなんだし〜・・・
これでも君の相棒なんだから・・・

む…よさないか人前で…

ぶふぉっ!
ゴホゴホッ… と、ともかく…
また今回と同じ場所へ遠征に行くんでしょ?

そ、そうですね

父が近くにいたというのが本当なら、何か情報がつかめるはず…
なぜいなくなったのか…
それなら、私も一緒に…

おお、それは心強い

やったね!

是非とも…

私、夢だったのよぉ〜

は…?

ミニスカ白衣からフトモモちらりん☆
天使の笑顔で戦場を癒すエンジェルナイツ!

槍を持って戦ってくれるのではないと?

それにエンジェルナイツは戦えて、
かつヒールが使えて胸が・・・げふげふ・・・のが前提でしょ〜?
チョコ姉は『戦場を翔ける戦乙女』と呼ばれてたから
ヴァルキリーナイツのほうが似合っているような…?

・・・・(よくも胸のことを)
戦乙女か…、懐かしいわね…
でも…、引退して結構経つでしょ?
槍は物置の奥だし、練習もしてないし…
上達したのは、料理の味付けと
ルナティックのさばき方くらいだもの…
他の人を守りながら戦うのは無理だし、自分しか守れる自信がないの…

…どうですかね
本当にそうなのかどうか、試してみましょうか?

(騎士団長、魔法詠唱)

ちょ、ちょっと!
怪我したら大変だもの…、やめておきましょうよ…
そういうわけだから、戦力にはならないけれど・・・
父さんの探索とか、何か手伝えると思うから一緒に行くわ

…わかりました
出立は追って連絡します
それでは、失礼します
ほら、いくぞ!

じゃあね〜

あ〜、水ピ・・・じゃなかった、団長待ってぇ〜

(騎士団長とお付き退場)

さてと…
いよいよ、計画していたことが実行出来るのね…
ウェラーも一緒に来るかしら…

(チョコ退場)


さっき、一瞬だけど…
姉さんの顔が仮面で隠れた…
いままで仮面なんて見えたことなかったのに…
なぜなんだ…?

それはな…



この世界が嘘と偽りで創られているからだよ…

また貴様か…
まさか、姉さんの仮面…
貴様が何かしたのか!

私は何もしてはいないさ…
お前に見えている仮面はな
偽りをもって過ごす者の証なのだから…

偽りの証…?
姉さんが嘘をついているとでもいうのか!

さぁな…
しかし、仮面が見えたということはそうなのだ…

それじゃ…
なぜ、今までは見えたことがなかったんだ…、偽りの仮面が…
姉さん・・
もしかして・・・
そうなると、僕は今までなんてことを…
姉さんっ・・!

(ウェラー、チョコの後を追って退場)

姉さんか…
くっ、また頭痛が…
<第3幕>
チョコ


ウェラー

チョコ



ウェラー


チョコ



ウェラー

チョコ


ウェラー




チョコ

ウェラー





チョコ




ウェラー




チョコ

ウェラー


チョコ


ウェラー

チョコ





ウェラー

チョコ

ウェラー




チョコ



ウェラー




仮面の少年

ウェラー



仮面の少年



チョコ




仮面の少年


ウェラー

仮面の少年




ウェラー

仮面の少年






ウェラー


仮面の少年


ウェラー




仮面の少年

ウェラー

仮面の少年

ウェラー

仮面の少年

ウェラー

仮面の少年









ウェラー

仮面の少年






チョコ

ウェラー

チョコ








仮面の少年

チョコ

仮面の少年


チョコ


ウェラー



仮面の少年

チョコ





仮面の少年

チョコ






仮面の少年

ウェラー

チョコ

仮面の少年





ウェラー




仮面の少年

チョコ

仮面の少年




ウェラー

仮面の少年


チョコ

仮面の少年











チョコ




仮面の少年






ウェラー

チョコ



ウェラー

チョコ


ウェラー



チョコ





ウェラー





チョコ

ウェラー



チョコ


ウェラー


チョコ



ウェラー


チョコ





ウェラー

チョコ



ウェラー



チョコ

ウェラー


チョコ



ウェラー


チョコ


ウェラー


チョコ





ウェラー

チョコ



ウェラー

チョコ

ウェラー

チョコ


ウェラー

チョコ

ウェラー


チョコ







ウェラー

またあなたの出番が来るなんてね…
もう、これ以上、血で汚したくなかったのに…

…姉さん

きゃっ!
ノ、ノックもしないでレディの部屋に入るなんて…
どうしたの?

槍を…
やっぱり…

あ…、この槍?
と、父さんの大事なものでしょ?
たまには手入れを…なんて…

また仮面が…

仮面?
そういえば、仮面って…

さっき・・・
騎士団長がいたでしょ…
話をしている時…
姉さんが仮面を・・・・

あなた…、何を言って…

それにさっきもまた見えたんだ…
だから、僕の考えが正しければ…
姉さん
もしかして戦いに行きたいの…?
騎士団に戻りたいの?

…そんなはずないでしょ
私はもう引退したし、修練していないから腕も落ちたわ
この槍だって、街全体が襲われた時の護身用…
騎士団と一緒に戦うつもりなんて…

…うそだ
姉さんが付けている仮面は
偽りの仮面だって…
…あいつが…言ってた

私が仮面を付けているって…

それに、僕は知っているよ
毎朝、槍の修練を積んでいることを…

…そっか
な〜んだ、バレてたのね

あ、仮面が…

いつか、父さんを探す旅に出ようと思ってたから
バレないように修練を積んでたのになぁ〜
父さんは…
絶対に生きているわ!
でも…、なぜ私が嘘を言っているってわかったの?

それは…

それに仮面と…、あいつって誰…?

そうか…、あいつの仮面も・・・
もしかして…

(ウェラー退場)

な、何!?
どうしたのよー!?


はぁはぁ…
どこだ…
呼びたくても…、名前がわからない…
いったいどこに行けば…

私をお探しか…

あぁ、探してたよ
ようやく理解ったんだ…
僕が見えていた仮面の意味が…

ほぉ〜

(チョコ、舞台端に登場)

はぁはぁ…、まったくどこに行って…
あ、いた!
ウェ…
隣にいるのは誰なの…?

そうだ…
お前が見ていたものはすなわち、本心を隠す仮面だよ…

…やっぱり

人は本音と嘘を使い分ける…
心で思う本心、そして口から出す偽りの言葉…
その時、心を悟られないように仮面が表情を隠し
その場に適応した偽りの表情が作られる…

それがあの仮面なのか…

仮面で隠した表情、すなわち本心は誰にもわからぬ…
何があっても笑顔で過ごす表情の仮面…
心はものすごく悲しんでいるかもしれない
しかし、それを知られまいとして笑顔を作って過ごす
その表情こそ…
具象化した笑顔という仮面なのだ…

…ならば
お前の仮面はなんだ・・・?

私の仮面…?
だと…

僕にはその仮面の意味がわからない
笑顔でもない、怒りでもない…
偽りの仮面というなら・・・
お前も嘘をついていることになる…

…偽りか

しかし、今の話はどう考えても嘘を言っているとは思えないんだ

この私自身が偽りのようなものだよ…

どういうこと…?

私の存在など必要なかったということさ…

存在…?

1つ、昔話をしてやろう…
ある時、少年は仲間に裏切られた…
仲間が必要としていたのは少年の未知なる力だった…
その力を手に入れれば、地位と名誉を手にする事ができる…
そのために仲間は、心とは違う笑顔の仮面で接してきた…
少年はそれを知らず接していたのだ…
私利私欲のためだけ生かす人形だと知らずにな…
それを知った少年は絶望し、この仮面を付けた…
人形だった自分から別の者になるために…

別の者…

この仮面はな…

私が私ではない者となり、生き続けるための…
拘束具…

(チョコ、仮面の少年に近づく)

そんな!自分ではない者になって生きるなんて…!

ね、姉さん…

ごめんね…、立ち聞きするつもりはなかったんだ…
あなた…、人に裏切られて、心を仮面で閉ざしてしまったのね…
全ての人が嘘を言っていると思うようになって
仮面から見える人を信じないように…
でも、全ての人があなたに嘘を言っていた?
ううん、私はそうは思えない…
表面…、いえ、仮面の笑顔ではなく
心からの笑顔を見せてくれてた人が必ず…!

貴様に俺の苦しみの何がわか…



な、なぜ…!?
いや、そんなはずは…

ねぇ、あなた、家族はいないの?
その家族はあなたに嘘の笑顔で接していたの?

そうだよ…
ボクの姉さんがそうだったように
あんたにも家族がいたなら…



あなたに何があったのか私にはわからないわ
でも、優しい心を持った人が裏切られた時の悲しみ…
それは計り知れないというわ
だから、心を閉ざしたあなたは、きっと…
…優しい心の持ち主なのね

優しい…、こころ…

だから…、もし私があなたの家族だったら
あなたにこう言うでしょうね…
私は…、あなたを信じてるよ…
仮面というもので心を隠しているなら
私があなたの心を護ってあげる
だから、怖がらないで…

う……



ん…

怖がるな……
か…
仮面で心を隠していれば、怖いことなんてないさ…
みんな笑顔だからね…
全ての人が仮面をつけていれば幸せなんだよ!

…しかし、
仮面をつけたからこそ傷ついた人を僕は知っているよ
力なきものがつけた仮面…、
嘘が招いた代償は大きいと…

仮面をつけても、人は何も変わっちゃいないってことか…

人って…、あなたはいったい…?

ふっ…
あんたのおかげで思いだしたよ…
忘れかけていた姉さんの記憶をね…
でも、僕の姉さんはもういないんだ…

あんたにも姉がいたのか…

目の前にいるのは、姉さんに似ていても…
別人なんだね…

私が…、似ているの…?

僕はね…
僕という心を持った者がきちんと存在しているのに
力とか表面とかしか見てくれない人達から
まるで、僕なんかいないほうがいいって言われているみたいで…
嫌だった…
そんな僕でいることが辛かった…
気付けば、この仮面を…
手に持っていた…
この仮面は僕ではない者を演じることが出来る…
そして、心を隠した僕という存在を証明する唯一の証…
この仮面の顔こそ僕なのだと…

でも…、やっぱり仮面は、所詮仮面よ…
あなたじゃないわ…
その仮面の奥に大事に隠している心…
それが、あなたなんじゃない?

ボクのココロがボク…

ボクのココロは…、もう昔に…
姉さん…

(仮面の少年消滅。ウェラー、落ちた仮面を拾う)

仮面で隠した心か…

仲間に裏切られて、心を閉ざした可哀想な人…
しかも霧のように消えるなんて…
ねぇ、ウェラー

・・・ん?

彼はなぜ、ウェラーに人の心を映す仮面が見えるという
力を与えたのかしら…

たぶん・・・
仮面を見せることで
出された言葉と内なる心は違うというのを見せたかったんじゃない?

でも、あなただけにしか見えない力だったんでしょ…
仮面が見えることで、みんなが幸せだと言っていたなら
いろんな人が見えてもおかしくないじゃない…
なにか…
きっかけが、あるんじゃない?

・・・そうだ
あいつと初めて会った時…
公園で知り合った友達から・・・
酷いことを言われたんだ…
その時にあいつが現れて励ましてくれた…

酷いこと…?

僕のことを何にも知らないくせに…
知ったような口で・・・
酷い言葉を…

そうだったの…
それって、いつの話?

たしか、10年くらい前だったかな…
最後に会ったのは2年くらい前だと思うけど…

…もしかしたら
仮面が見えていたほうが、心の裏表がわかるなら
見えてた方が相手との付き合い方がわかるでしょ?

でも、常に仮面しか見えない生活って
実際に経験したけど嫌なもんだよ…

つまりね…
人は常に仮面を付けて生活をしているけど
その仮面とは別に、きちんと人としての心があるということよ…
そして、仮面という媒体から隠れた心に触れて
それに対して思いやる気持ちを養わせるため…

????????

だって…、心って見えないでしょ?
それを仮面という形で見せてくれたということが
何よりの証拠じゃない?

…そうか、そうかもしれないね
姉さん…
今までごめん…

やだ、なに?急に謝って…

いや
ただ言いたかっただけ…

…やっと笑ったね
やっぱり、仮面の笑顔じゃなくて、心からの笑顔っていいものよね〜
ところで、その仮面はどうするの?

うん、彼を忘れないためにも
これは僕が大事に保管しておこうと思う…

彼に成りすますつもり?
その仮面は…、彼の存在そのものだったのよ

まさか…
仮面をつけても、僕は僕だよ…

…そうよね
仮面を外した彼は、きっと本当の心を取り戻せたのでしょうね…
あ、そうそう、近いうちに父さんを探しに旅発つけど
あなたもついて来る?
もちろん、一緒に来てくれるわよね?

父さんが見つかったの?

ううん、まだ未確認だけど…
それを確認するためにも、近いうちに騎士団と一緒に出かけるわ!
まぁ、騎士団の討伐手伝いにも参加するけどね…

うん、一緒に行くよ!

よしっ!それじゃ、とりあえず…

ご飯を食べよう!

そうね〜
なんだか急にお腹減っちゃった

う〜ん

ウェラーは何が食べたいの?

ええと・・・
ミノタウロスの丸焼きが食べたい!

はいはい、それでオッケーよ
それじゃ、一緒に食材を捕まえに行きましょ
…の前に、家の戸締りを忘れてたわ!
ちょっと待っててね〜

(チョコ退場)


彼は僕に、人の心というものを・・・
仮面という形で見せてくれていたのかもしれない…
全ての人が嘘の仮面を付けて生活していると…
でも、信じてくれる人がいるってことを教えてくれた…
まだ、いろんな人の仮面が見えるけれど
きちんと相手を理解してこれから過ごそうと思う…
心を映し出すペルソナか…

(ウェラー、仮面をつける)

この仮面から見えていた世界は、どんな世界なのだろう…
<第4幕>
少女




友達





少女

友達

少女


友達



少女



友達


少女




仮面の少年

ん〜…
新聞屋からチケットをもらったから観に来たものの
よくわからない演劇でしたわね…
ペルソナ…、それって仮面という意味なのでしょう?

ううむ・・・仮面とか嘘とか、存在とか…
まぁ〜、お金を払って観に来るほどのものじゃなかったな
でもさ
アマツにこういう劇団があることがわかっただけでも
良かったんじゃないかい?

むむむ…

何、悩んでいるの?

結局、仮面をつけていた人は何を言いたかったのかしら?
お姉さんの意見はいまいちよく解りませんでしたわ…

そうだな・・・
仮面が見えるという能力で嘘発見器人間に…
どうしたの?

ペルソナ、ね…
携帯についている辞書でちょっと調べてみます…
あ、ありましたわ


何て書いてあったんだい?

ペルソナ…
「人が生活していく上で必要となる社会的な役割を持つ人格、または…」

(仮面の少年登場)

偽りの仮面ともいう…
ペルソナ…
私には見えるよ…
君が…、どんな仮面をつけているか…
そう、人は仮面をつけている…
ペルソナという生きるために必要な仮面…
目の前にいる者たちは…
どんな仮面をつけて、ココにいるのだろう…
怒り?
笑い?
それとも…

君達はペルソナで隠された心に…
気づく事が出来るかな…