台本「Moon Letter」 少年 琉姫 うさぎ 静歌 お婆ちゃん 待宵 幼馴染み 夜姫 少女の父 かりす 村人 ブラフマー 語り 琉菜 演出(エンジェ)未定 ※出来ればPT外の人が望ましい 前座 団長と他1名 第一幕 言い伝え 語り、家から登場し、舞台中央で語り始める 語り 今宵、月の光に誘われて、浮かび上がるものがたり 儚きその影を踏んだのは誰かしら… 今日も私の旅物語を聞きたいというのかしら? エモ ( /うんうん  そうですか・・・ よろしいでしょう・・・ ・・・ 夜空を見上げれば、月が優しく微笑んでいるというのを 見たことあるでしょう? この優しい光で私達の世界を照らし続けてくれるお月様 皆さんは月に生き物はいないというのは周知の事実であるけれど 先人は月に映る模様が兎に見えるということから ウサギが住んでいると連想いたしました その模様は「月の海」と呼ばれ、 見る場所によってはライオンだったり、ワニだったり・・・ ・・・ では、なぜ月にウサギが住んでいるという話が生まれたのでしょうか (客席の反応によってアドリブ変更可能) そうです、よくご存知ですね そういった説話から、ウサギは永遠に月に住めるようになり 月に映るウサギの模様を見た人たちは 「月にウサギが住んでいる」と 夢のある話へと発展していったのですね しかし、とある場所ではこんな月の言い伝えがあるそうです 『紅き月は死者を迎え、蒼き月は死者を還す』 今日はその言い伝えを語るとしましょうか・・・ 語り 客席側に歩いて、座る □□□□□□□□□ 祖 少 □□□□語□□□□ □□□□↓□□□□ □□□□語□□□□ |  客 席  | 祖母 右から登場    中央へゆっくりゆっくり移動 少年 祖母のあとを追うように右から登場 祖母 いいかい、ルキ 月にはね・・・ この世界で亡くなった人たちがいずれ昇る世界があるんだよ ほら、お空から見ているっていうだろう お前のパパとママも お前をあのお月様からずっと見てくれているんだよ 少年 そうなの? それじゃ、おおきくなったら僕も月に行って パパやママにあいたいな〜 祖母 逢えるといいね〜 さ、今日は紅い月の夜だから 早く帰ろうかの 少年 は〜い! おばあちゃん、競争して帰ろうよ! よ〜い! どん! 少年 走るように右に退場 祖母 こらこら お婆ちゃんは腰が痛いんだから・・・ ふぅ〜、やれやれ・・・ 祖母 ゆっくり右に退場 語り 立ち上がって、1つ上に移動 語り 紅き月の夜・・・ それはこの世界で亡くなった人が月へと昇ると云われている夜 今日もまた一人・・・また一人・・・ ・・・月へと昇っていく そんな言い伝えのある村の物語 劇団うたかた月夜 4周年記念作品 「Moon Letter」開演 語り 語り位置へ移動 第二幕 祖母の死 語りは基本的に話すときは立ち上がり、終わったら座る 語り 時は無常にもとどまることを知らず・・・ 気づけば、5年の歳月が流れたある日のことでした 祖母 右から登場    ゆっくり舞台中央に移動しつつセリフ。 祖母 ふぅ・・・ 私ももう歳かね〜 思うように体が動かなくなってきたよ ふぅ〜 少年 左から登場し、祖母の近くに寄る。 少年 婆ちゃん! もう歳なんだから、あまり遠出しないでくれよ 途中で倒れでもしたらとおもうと 僕、心配で・・・ エモ( /無念 ) 祖母 おやおや、ルキ 迎えに来てくれたのかい 大丈夫だよ お婆ちゃんはまだまだ月には昇らんよ ほほほ・・・ エモ( /笑い ) 少年 笑っている場合かよ・・・まったく・・・ 最近よく出かけるけど、どこに行ってるのさ 祖母 ん? あぁ〜、隣村に住んでいる教え子のところさね 少年 となりむらぁ〜? それで最近、朝からいないのかよ 祖母 こんなよぼよぼでも、朝早く出ればお昼には着くからの 少年 エモ( /いやだな ) あまり無茶しないでくれよ 祖母 ほっほほほっ さぁ、帰ろうか 少年と祖母 左に退場 ▲エンジェランス 1回 祖母と少年 エンジェランスが1回なったら舞台へ戻る。 祖母 中央で毒ビン使って倒れる 少年 泣きエモ( /えーん )で繰り返す 語り エンジェランスがなったら、立ち上がってセリフを始める 語り 仲良き祖母と暮らす少年でしたが ある紅い月が大地を照らす夜 また一人・・・月へと昇っていこうとしていたのです ▲エンジェランス 1回 少年 ばあちゃん・・・ しっかりしてよ 祖母 ごめんよ・・・ お婆ちゃんはそろそろ月へ行かねばならないみたいだね 少年 ・・・ばあちゃん 祖母 でも、心配しないでおくれ お婆ちゃんはあの月からいつもお前を見守っているから 蒼い月の夜は空を見上げるといい・・・ 少年 蒼い月・・・ 祖母 この村に伝わる古い言い伝えじゃよ・・・ 紅き月は死者を迎え・・・ 蒼き月は死者を還す・・・ 紅き月に看取られた者は・・・ 蒼き月に・・・ ゴホッゴホ・・・ ・・・忘れてはいけないよ 蒼き月の時間は・・・ 短いけれど・・・ きっと・・・あお・・いつ・・・きの・・・ひ・・・ 少年 ・・・ばあちゃん? ばあちゃーん!!!! 語り 紅き月が禍々しく光る夜・・・ 祖母は月の世界へと旅立っていきました 祖母と少年、蝶で消える 第三幕 月のウサギ 語り 祖母の葬儀も滞りなく行われ、少年の家に静寂が訪れました 両親を早くに亡くし、そして祖母もいなくなり 少年は一人ぼっちになってしまいました 幼馴染 左から登場し、中央付近でセリフ。動きは自由。 幼馴染 ようやく落ち着いたね それにしても婆ちゃんの葬列はすごかったな〜 いろいろな村の村長とか来てたみたいだし・・・ 顔が広かったんだね〜 騒がしかった分、あいつも寂しがってるかも ・・・当分の間は励ましに行ってやるか 幼馴染 右へ退場し、舞台左へ移動する 少年 右から登場し、下記位置あたりに移動 □□□□□□□□□ □□□□□□□□□ □□□□□□少□□ □□□□□□□□□ |  客 席  | 少年 はぁ・・・、今日からあの家に一人で住むのか 1人は寂しいな・・・ これからどうしようかな・・・ 幼馴染 左から登場 □□□□□□□□□ □□幼□□□□□□ □□□□□□少□□ □□□□□□□□□ |  客 席  | 幼馴染 やっぱり凹んでる・・・ よ〜し! 幼馴染 少年に近づく 幼馴染 おい、バカルキ 少年 あ・・・ヨルヒメちゃん・・・ 幼馴染 そんな顔していると、月からばあちゃんの怒鳴り声が聞こえるぞ! ぜ〜んぶ空から見ているんだからな! 少年 うん、わかっているけど・・・ ・・・やっぱりね 幼馴染 ・・・ エモ( /あはは ) そうだわ! ・・・今日満月だからちょっと出かけようよ! 少年 出かけるって・・・ 幼馴染 満月は光が強いからきっと婆ちゃんも月からこっちを見ているよ だから、よく見える広い場所にいこうよ! 少年 ・・・ 幼馴染 ね! エモ( /最高 ) 少年 よ〜し! それじゃお弁当は僕が作って持っていこう 幼馴染 やったぁ〜 よ〜し、今から準備してくるぞ〜 幼馴染 左に退場 少年 ・・・ 満月か・・・ ウサギの餅つき、ペッタンペッタン ・・・婆ちゃんのいる場所にはウサギがたくさんいるんだろうな〜 少年 家の中に退場 語り 紅き色の月と蒼き色の月は 月齢と違っていつ現れるのかわからないそうです そして、しばらくしたある蒼き月の夜のこと うさぎ 左より登場 キョロキョロと家を探しながらセリフ うさぎ ・・・たしかこの辺だったはず 夜だといまいちわからないわ・・・ まだ、蒼き月は見えているよね・・・ うさぎ 舞台上をうろうろした後、家の前でエモを出す うさぎ エモ( /! ) あ、ここだわ あの、こんばんは・・・ 少年 合図で家から出てきて、舞台の少へ移動 うさぎ 少年が出てきたら、下記へ移動    家 □□□□□□□□□ □□□少□□□□□ □□□□□□う□□ □□□□□□□□□ |  客 席  | 少年 えっと・・・どちらさま? うさぎ あ、は、はい・・・ えっと・・・私、シズカといいます これをお届けに参りました 少年 ・・・えっと・・・手紙? うさぎ あ、はい・・・ えっと・・・マチヨイさんから預かってきました 少年 えっと・・・、祖母は少し前に亡くなったのですが・・・ うさぎ えっと・・・ ・・・月へ昇られたおばあさんから預かった手紙です 少年 エモ( /! ) おばあさんからの手紙って・・・届けられるわけないでしょ 馬鹿にしてるんですか!? うさぎ エモ( /いやだな ) ・・・とりあえずお渡ししますので 少年 エモ( /いやだな ) 少年 エモ( /・・・ )をゆっくり3回繰り返す うさぎ ・・・ご理解いただけましたか? 少年 ・・・そんな これは本当に婆ちゃんからの手紙じゃないか!? うさぎ はい、本物ですよ! エモ( /うれしい ) 今日は蒼き月の夜ですからお届けに参りました 少年 蒼の月の夜って・・・まさか月の世界から地上に来たの・・・ うさぎ はい! そのまさかです! 少年 ・・・そんな、本当に世界が実在してたんだ ねぇ、母さんは!? 母さんからの手紙はないの? うさぎ ・・・ごめんなさい 決まりごとで、私は頼まれたことしか伝えることが出来ないの 少年 ! ・・・そう・・なんだ うさぎ あ、それとちょっと言いにくいんですが・・・ 少年 ? うさぎ 次の紅き月の日じゃないと帰れないから しばらく泊めさせてもらってもいいかしら? 少年 エモ( /ショック ) そ、そ、そんな・・・、女の子を泊め、泊めるなんて・・・ 少年 ほおべにを装備する うさぎ あ、大丈夫ですよ ほら、私はウサギですから エモ( /うれしい ) 少年 ・・・うさぎって、女の人じゃないか うさぎ まぁまぁ、あまり気にせずにお邪魔しますね〜 あ、それと・・・ 泊めてもらうかわりに家事とかしますから うさぎ 家の中に入る     そして、蝶でセーブポイントへ 少年 あぁ!中に入っちゃったよ 婆ちゃんの手紙か・・・ あっ・・・ 娘さんを泊めさせてあげなさい・・・って書いてある・・・ だったら、大丈夫かな・・・ 少年 まわりをきょろきょろしてから 少年 エモ( /! ) あれ、もう蒼き月が黄色の月に変わっちゃった・・・ 本当に短い時間しか蒼く光らないんだな・・・ 少年 家の中に入る 第四幕 嫉妬なんです 語り 突然現れた月の使者と自称する少女「シズカ」 祖母の手紙には『月の世界で楽しく暮らしている』といった内容が 書かれてあったといいます そして、2枚目には少女のことも書いてあり、 少年は祖母の手紙を信じて迎え入れたそうです。 数日間一緒に過ごし、紅き月の夜が明けた朝 少女の姿はなかったそうです 少年 合図で家から登場 ※ホウキを誰かが落として、少年が拾うか、少年がアドリブ入れてホウキを探す  フリしながら落とすかする。 幼馴染 左から登場 幼馴染 おや? 今日は早い目覚めね・・・ いつもはシズカさんが掃除しているのに・・・ 少年 あ、ヨルヒメちゃん シズカさんが起きたらいなくなってたんだ!!! 昨日の晩は紅き月だったから、きっと月へ帰ったんだよ!!! 幼馴染 ・・・おちつけ 紅き月って死者を迎える月だよ 少年 だから、紅き月があの人を迎えたんだよ!!! 本当に紅き月の日にいなくなるなんて・・・ 「紅き月は死者を迎え、蒼き月は死者を還す」・・・ 言い伝えだとは思ってたけど本当だったんだよ! また、蒼き月の夜に手紙を持って来たりするのかな う〜ん、信じられないけど 待っているのが楽しみになってきたぁー! 幼馴染 エモ( /e15 ) はいはい・・・ そんなに興奮するな 少年 だって、そうとしか考えられないじゃない! やっぱり月にはいろんな人が住んでるんだな〜 幼馴染 ・・・ ちょっと頭冷やしたほうがいいよ そうだ、スイカが冷やしてあったよね? それを食べさせてよ! あ〜、暑い、あつ〜い・・・ 幼馴染 家の中に入る 幼馴染だけ、蝶でセーブポイントへ 少年 あ、ちょっと〜 少年 家の中に入る 語り しかし、翌日になっても少女は帰ってこなかったそうです さらに明後日・・・、1週間・・・、1ケ月・・・ そして、また蒼き月が地上を優しく照らした夜のこと・・・ うさぎ 右から登場     家の前で少年を呼ぶ うさぎ こんばんは〜 元気にしてますか〜 少年 合図で出てくる 少年 シズカさん! どこに行ってたのさ! 心配したんだよ うさぎ ?・・・ どこって・・・今日は蒼き月が光る日なので あの月から・・・ 少年 だったら、いなくなる前に一言くらい・・・ うさぎ ・・・ごめんなさい これも決まりごとでね・・・ 帰る姿は見せられないの・・・だから、何も言わない 見られたら、ここには来られなくなるから 少年 それも月の掟なんだ・・・ つまり、地上に降りられないってこと? うさぎ ・・・ 今日もまたマチヨイさんからお手紙を預かってきました それと・・・ 次のセリフは、同時に発言するので要練習! うさぎ 紅き月まで泊めて・・・ください 少年 紅き月まで泊めて・・・だね うさぎ エモ( /! ) うふふふふ・・・ 少年 あはっははは・・・ うさぎ お手数おかけします 少年 さぁ、中に入って! ちょうど裏の畑で取れたにんじんでスープを作ったんだ うさぎ エモ( /うれしい ) 少年とうさぎ 家の中に入る 語り 少女は紅き月と蒼き月が廻るたび 少年の家にやってきました 村人にも少女は受け入れられ、不思議な少女と思われながらも 誰も何も言わず、穏やかな日々が続いていたが・・・ うさぎ 合図で家から出てきて、舞台中央へ うさぎ はぁ・・・ 紅き月になるのが早いよ・・・ もっと、ここにいたいのに・・・ 戻っても・・・ うさぎ 右に退場 幼馴染 左から登場 幼馴染 うふふ・・・ やっぱり出て行ったわ へっくしょん! 毎夜ここに隠れているのはきついわね 紅き月も月齢みたいに 定期的にくればわかりやすいのに・・・ さて・・・本当に月へ帰るのか見届けなくっちゃ もし嘘ついているなら・・・ 私があいつを守らないと! 幼馴染 右に退場 語り 彼女は、少女の後を見つからないように追っていきました 夜が明けた頃に着いた場所は隣村だったようです・・・ うさぎ 左から登場し、家の前でセリフ うさぎ はぁ、また蒼き月まで一人ぼっちね・・・ 今度蒼く輝くのはいつかしら・・・ うさぎ 家の中に入る     蝶でセーブポイントへ 幼馴染 左から登場 幼馴染 なんだ・・・、ここ隣村じゃない・・・ ということは、月の世界から来たなんて嘘ってこと? 村人 右から登場し、ゆっくり左に移動する 幼馴染 あ、すいません この家の人・・・ 村人 あ、あぁ〜先生を訪ねてきた人かい? 朝早くからごくろうなことですな 幼馴染 先生? あの・・・ 村人 でも、残念ですな・・・ 数ヶ月前に夫婦揃って亡くなったよ 可愛そうに・・・娘さんだけ残ってね・・・ 幼馴染 ・・・亡くなった? 病死か何か? 村人 ・・・野党に襲われたということになっているが 真相はわからんよ それじゃな・・・ 村人 左に出て行く 幼馴染 どういうことかしら・・・ ・・・とりあえずルキに教えてあげなきゃ! えいっ! 幼馴染 蝶で戻る 第五幕 祖母の願い 語り 月から祖母の手紙を持ってきたという少女「シズカ」 しかし、実際は隣村の住んでいたのです そのことを彼女は少年に話しました。 少年は、にわかに信じられなかったそうですが 次の蒼い月の晩に少年は少女に問いかけました。 そして、少女は真実を語り始めます。 それはまだ、祖母が生きていた頃まで遡るお話 うさぎ 装備品(うさぎヘアバンド)を外してください 右から登場 うさぎ お父さん、お母さん、ただいま 途中で先生に会ったよ 祖母 ゆっくりと右から登場 祖母 まったく元気な娘だよ〜 老体には厳しいわ 父 左から登場 父 あ、先生、いらっしゃい あ〜、シズカ〜 まさか、先生の手をひいて走ってきたんじゃないだろうな うさぎ そんなことないよ 背中を押してきた! 父 先生、疲れているんだから ゆっくりお迎えしなきゃ駄目じゃないか 祖母 いやいや、大丈夫だよ ありがとうね、シズカ 父 毎日、朝早く出てこられるんでしょう お孫さん・・・心配されないんですか? 祖母 んにゃあ〜、大丈夫大丈夫 あの子は心配しすぎなんだよ もう少し強くならないと・・・ 私ももうそんなに長くはないからね〜 父 そんなこと言わないでくださいよ 祖母 ほ〜ほほほほ〜 自分のことは自分がよ〜知っとるよ だから、こうしてお前たちにお願いにきとるんじゃ 父 ・・・ まぁ、それで先生が納得するのなら お手伝いしますが・・・ うさぎ 私も何か出来るなら手伝うよ! 父 シズカは先生が大好きだもんな うさぎ うん! それに先生のお孫さんならきっと優しい子だもん! 父 ・・・で、先生 今まで書きとめたこれらの手紙を お孫さんに渡せばいいのですね 祖母 うむ・・・ それで、これが最後の手紙じゃ・・・ 受け取っておくれ 父 これが・・・最後の手紙なのですね 祖母 あぁ、すべてがわかったらあの子に渡しておくれ 月の伝承の通り、蒼き月の夜に届けておくれ きっとあの子の事じゃ 1人になったらしばらくは家に閉じこもるかもしれん・・・ この手紙を読むことで少しでもあの子が元気になるなら 私は・・・あの子のためを思って嘘をつこうと思っとる うさぎ 嘘でも、先生の嘘は間違ってないよ! 私も一人になったら寂しいもん・・・ 手紙が届いたらちょっとは嬉しいもん 父 ふむ・・・先生の頼みであれば 蒼き月の晩に届けに行きましょう 祖母 すまないね・・・ こんなことを頼めるのはお前たちしか居らんからの それじゃ、私はもう戻るとするよ うさぎ 私が送っていくよ! 父 シズカ、気をつけていっておいで うさぎ は〜い! うさぎと祖母 右に退場 父 左に退場 すぐに出番が来るから左袖にいること 語り 祖母が亡くなる前に頼んだ事 それは死者は蒼き月に地上へ帰ってくるという 蒼き月に隠されたもう一つの伝承になぞらえて 祖母が書いた手紙を届けるというものだった しかし・・・ ▲エンジェランス 1回 父と母 エンジェランスがなったら左から登場 舞台端で毒ビンで倒れる □□□□□□□□□ □□□□□□□□□ □□□□父□□□□ □□□□□□□□□ |  客 席  | ▲エンジェランス 1回 うさぎ 右から登場し、すぐにエモを出す 近づいてから台詞を話して、 うさぎ エモ( /ショック ) お父さん!? うさぎ 舞台左にお母さんがいるつもりで、近づいてから 母のなまえを叫ぶ □□□□□□□□□ □□□□□□□□□ □□う□父□□□□ □□□□□□□□□ |  客 席  | うさぎ エモ( /! ) お母さん!!! 父親  語りに合わせてリログ うさぎ 父親が消えたら、うさヘアバンドを装備。 少年 父親が消えたら右から登場 第六幕 真実 語り 祖母が亡くなった数日後 少女の両親が何者かに襲われ亡くなったという 一人取り残された少女は、悲しみにあふれましたが ふと少年の祖母の手紙を見つけ 同じ境遇となった少年も寂しい思いをしているだろうと 月からの使者となって手紙を届けることを思いついたのだといいます うさぎ 騙していてごめんなさい・・・ 少年 ・・・ 全部嘘だったのか・・・ うさぎ 手紙は・・・本当に先生が書いたものなの 生前、うちに来ていろいろと書いていたわ 少年 ばあちゃん・・・ だから、毎日いなかったのか・・・ うさぎ 先生はいつもあなたのことを私に話しながら 手紙を書いててね いつも帰る前に「ルキを頼むよ」って行って帰って行ったの 先生が亡くなった後、両親といつ持って行こうかと 相談していた矢先・・・両親が・・・誰かに・・・ 月の世界へ行ってしまって 一人でいるのが耐えられなかった・・・ そんな時に先生の手紙を見て ここに来れば先生の願いも・・・ あなたの為にも役に立てるって そう思うことで寂しさを紛らわせてた・・・ でも、所詮は自己満足だったのかもね それも今日で終わりだね もう・・・、ここに来る理由がなくなっちゃったもん 少年 ・・・シズカさん うさぎ これが先生・・・あなたのおばあさまが残した最後の手紙です。 ここに置いておきますね それじゃ・・・さようなら うさぎ 手紙を落としてから右へ退場 少年 うさぎがいなくなったら手紙を拾う 祖母 客席から台詞を言い始め、まず下の位置へ移動する □□□□□□□□□ □□□□□□□□□ □□□□□少□□□灯篭    語□□□□□□□□祖 少年 上記の位置で朗読し、祖母の台詞中は    エモ( /… )を何回か出し続ける 少年 ・・・ ・・・ルキへ 「これが最後の手紙となります。」 「お前がこの手紙を読んでいるということは・・・」 祖母 きっとおばあちゃんが残した最後のいたずらが ばれてしまったのでしょうね でもね、ルキや 彼等を責めないでおくれ・・・ お前は両親に先立たれ、そしておばあちゃんも お前を残して月へと旅立とうとしている そんなお前のために何か残してあげたいと思ったんだよ それで、昔の教え子夫婦にお前のことをお願いしてきた 祖母、少年の近くへ移動する □□□□□□□□□ □□□□□□□□□ □□□□□少祖□□灯篭    語□□□□□□□□□ 祖母 願わくば・・・ 彼等と一緒になって、幸せにおなりなさい・・・ それがおばあちゃんが残せるただ1つの贈り物だから もし、寂しくなったら・・・ 少年 「昔、おばあちゃんと行ったあの山へ登って」 「頂上から月の眺めてごらん」 「きっと、伝承の意味が理解るよ」 「おばあちゃんより」 ・・・あの山って 少年 左に退場 祖母 気をつけていくんだよ・・・ルキ・・・ おばあちゃんはいつも 空からお前を見守っているからね・・・ 祖母 蝶で消える 第七章 月の伝承 少年 ゆっくり右から登場し、中央へ移動 語り 翌日の夜・・・今宵は満月・・・ 少年は祖母の遺言どおり、村で一番高い山へ登りました。 幼馴染 合図で右端へ入場 幼馴染 お〜い、ちょっと待ってよ〜 少年 ほら、早く早く! 幼馴染 早くって、急に山に行こうなんて 女の子に言うもんじゃないでしょ! まったく・・・ 少年 早く確かめたいんだ 山の頂上で何が見えるのか・・・ 少年 左に退場し、舞台右へ移動 幼馴染 もぉ〜! 綺麗な満月が見えるだけじゃない・・・ 何を期待しているのかしら・・・ 幼馴染 左に退場し、舞台右へ移動 少年 右から入場 少年 はぁ・・・、はぁ・・・ 少年 左を向いてからエモをだす 少年 !? ・・・ 幼馴染 はぁはぁ、やっと追いついた・・・ ねぇ、何が見えた・・・ 少年 お、おばあちゃんだ・・・ 幼馴染 エモ( /! ) そんなことあるわけが・・・ 少年 ほら、見てよ! 満月におばあちゃんの姿が映ってる! 幼馴染 ! うそ・・・ 語り その満月は眩く蒼を放つ光と一緒に 祖母の姿が映っていたそうです 昔、絵本を読んでくれた祖母の姿が・・・ どのくらい眺めていたのでしょう 気が付くと、月はいつもと同じ黄色い光を放ち そして、雲の中へと隠れてしまったのです。 幼馴染 あ・・・、もう見えなくなっちゃった それに月も・・・いつもの色に・・・ 少年 やっぱり、おばあちゃんは月にいるんだ! シズカさんが届けてくれた手紙は言い伝えのとおり 蒼き月に帰って来たお婆ちゃんからの手紙なんだよ! 幼馴染 まだ言ってる・・・ それは、事前に・・・ 少年 分かってるよ でも、おばあちゃんの言っていたことは正しかったんだ だから、僕はシズカさんのしていた事を信じたい! シズカさんは嘘は言ってないって信じたい 幼馴染 ルキ・・・ 少年 ねぇ、ヨルヒメちゃんはシズカさんの家を知っているでしょ! 今から連れてってよ! たしか、隣村だったよね? 少年 右に退場 幼馴染 ちょっと待てよ! エモ( /あの ) ・・・あ〜ぁ、敵わないな〜 先に行ってもわからないでしょうが! 幼馴染 右に退場 語り 山を降りた2人はそのまま隣村に走っていったそうです。 少年と幼馴染 合図で右から登場 語り 隣村に着いたのは明け方で 2人はすぐさまシズカが住む家へ行ったようです しかし、家には人の気配がしなかったそうな・・・ 少年 シズカさ〜ん! ねぇ、シズカさ〜ん! 幼馴染 はぁはぁ・・・ お前、体力あるな〜 シズカさん、いないの? 少年 いないみたい・・・ どこにいっちゃったのかな・・・ 幼馴染 ・・・ 村人 右から登場 幼馴染 あ、すいません 村人 ほいほい・・・ おや、以前どこかでお会いしたかいの? 幼馴染 あ、先日はどうも 村人 あ〜、先生を訪ねにきたお嬢ちゃんか ま〜た、朝早くどうしたんじゃ? 幼馴染 えっと、ここに住んでいる方に逢いに・・・ 村人 ! シズカちゃんなら、もう家にはおらんよ 少年 ! 幼馴染 どういうことですか? 村人 よくわからんが・・・ 昨日の夜に村長宅に挨拶に来ていたそうじゃから 少年 そ、そんな・・・ (間を空ける) 村人 数日後には戻ってくるじゃろういうちょったな・・・ 幼馴染 エモ( /ショック ) 数日で戻ってくるんかい! 村人 さぁ〜な〜? ただ、数日家を空ける場合は連絡するのが掟なんじゃよ だから帰ってくるじゃろ 家の中は特に整頓されておらんし 戻ってくる証拠じゃよ ほっほっほ・・・ 少年 戻ってくるんだったら・・・ 少年 家の階段で座る 村人 それじゃ、わしも畑にいくとするかの 幼馴染 ありがとうね〜 村人 ゆっくり左に退場 幼馴染 ねぇ、何やってるの? 少年 舞台に戻ってから台詞 少年 ん? 手紙を残しておこうと思ってね よし、これでOK! 幼馴染 ねぇ、なんて書いたの? もしかして、帰ってきてくださいとか? それとも愛の告白だったりして・・・ 少年 へへへっ、内緒だよ! 少年 「宛てのない手紙」を階段近くで落とす 少年 さぁ、帰ろう 幼馴染 教えてくれていいじゃないか! 少年 や〜だよ〜 少年と幼馴染 右に退場 語り 舞台中央へ移動 語り 少年の手紙にはただ一言 「・・・紅き月の夜に待っています」と書かれていたそうな・・・ そして、少女がそれを読んで 紅き月の夜に行ったかどうかは 皆様のご想像にお任せするといたしましょう  ※ この時点で、夜姫ちゃんがルナティックを連れて、手紙を拾いに行きます。 語り 『紅き月は死者を迎え、蒼き月は死者を還す』 ・・・という言い伝えのある村で そんな不思議な出来事があった物語・・・ さて、そろそろ月も紅く光り始めたから 私も行きましょうか・・・ また、私に逢いたいと思った時は 夜空に浮かぶ蒼い月に願ってください。 その蒼い月は泡沫の如く、儚い時間しか輝かないですが 信じていればきっと月は見せてくれるでしょう・・・ その月には夢を与えるウサギが住んでいるのだから 語り 蝶で消える