[月夜夢〜ムーンナイト〜] 語り sekan 少女 ひよ 友達 静歌 お婆ちゃん  待宵 少年 ぶらふまん 花屋の男性  ありんちょ 花屋の女性  はな 放送案内 夜姫 ▼語り 舞台左の語り位置で始める  ひよ 客席からの発言で始めるため、客席で待機している。  静歌 ひよと同じ客席で待機 語り この物語はフィクションです。 登場する「人」や「物」につきましては 空想上のものや、現実に存在しているものに 「夢」や「希望」を加えて表現しております。 あらかじめ、ご了承ください。 ▼語り 舞台中央に移動。 語り それは1つの小さな花から始まった物語 その花は夜になると咲くといわれているが 未だ、誰もその開花を確認していないという いつしか・・・ その花を見たものは 「願いが叶う」という迷信が生まれたが そんな迷信は・・・ 今は語られること無く・・・ ▼語り 舞台左の語り位置に移動。  放送 舞台右端に待機して放送する。 放送 「本日は、アマツ花の展覧会8にお越しくださいまして」 「まことにありがとうございます」 「ご来場の皆様にご案内いたします」 「サブ会場にて、劇団うたかた月夜の公演」 「『きえうさ』が1時間後に始まります」 「観劇は無料ですので、お友達をお誘いのうえ」 「ぜひともご来場くださいませ」 ▼放送 舞台から退場  ひよ 客席から発言する。 台詞を言うたびに客席内をうろうろするため、 客席を移動する時は SHIFT を押しながら、 客席内をクリックして移動する。 ひよ ちょっと・・・すいません・・・ あ、足踏んじゃった! ごめんね 痛っ!今度は足を踏まれたぁぁぁぁ〜 もうやだぁ〜! ▼ひよ 上記台詞が終わったら、舞台に上がる。 ひよ もう、最悪〜 アマツで花の展覧会があるっていうから来てみたけど 人が多すぎて・・・ 静歌ちゃんとは人ごみではぐれるし・・・ ▼静歌 少し間を置いてから、立ち上がって エモ( /e16 )     発言したら、そのまま舞台に上がる。 静歌 あ〜、いたいた〜 もう心配したよぉ〜 ひよ あ〜、静歌ちゃん エモ( /! ) エモ( /… ) 心配したわりには 屋台の串料理をたくさん持ってるのね 静歌 それがさ! あんたを探している時に見かけた串焼き屋の人が ちょ〜イケメンのお兄さんで ▼静歌 客席に近づいてから発言 静歌 「そこの可愛いお嬢さん、1本いかが?」 エモ ( /e13 ) ・・・って、声かけられちゃったのよ! ひよ はぁ〜 (社交辞令っていうか、それはただの呼び込みじゃない・・・) 静歌 それでね!それでね! 1本だと200zだけど 5本買うと、もれなくパックに入れて 1000zだっていうから買っちゃった! ちょ〜、お得感バリバリって感じじゃない? エモ( /あはは ) ひよ エモ( /… ) 静歌ちゃんの頭の中も、今日のアマツみたいに花が咲いてるわね〜 バリバリってどこの言葉よ・・・ 静歌 さて、あんたも見つけたし、美味しいものも食べたし 人ごみ歩くのも疲れたからそろそろ帰ろうか ひよ うん 静歌 ・・・少しは落ち着いた?    男は彼だけじゃないって! ▼静歌 観客に近づいてから発言 静歌 ほら、そこにもあそこにも いろいろな男がいるんだから! エモ( /最高 ) ひよ ありがとう・・・ 静歌 おっしゃ!帰るべ〜! ▼静歌 舞台左に退場  ひよ 静歌がいなくなったら次の台詞に進む ひよ エモ ( /! ) そうだ、ついでに花を買って帰ろう 静歌ちゃ〜ん、ちょっと鳥居の前で待ってて〜 ▼ひよ 舞台右に退場 語り 花の展覧会では、街の一角で参加者向けに 花を安く売っている場所が設けられていた 目移りしながら、ひよは買いたい花を見ていると・・・ ▼あり 舞台左から登場して、語りの近くまで移動。 客席に向かって、アドリブで商売を始める。 ▼ひよ ありのアドリブが入っているので、少し間を空けてから 舞台右より登場して、花屋に近づいていく ひよ あ、この花きれいかも・・・ あり エモ( /! ) いらっしゃい どうだい?その花! ひよ う〜ん きれいだけど、あまり匂いがしないですね あり 匂いがする花がいいのか? それじゃこれはどう? ひよ ちょっときついかな・・・ 観賞用だから、可愛くて、きつくないのがいいです ▼少し間を空ける あり 観賞用でもいろいろあるからな・・・ エモ( /! ) それじゃ、今から俺が10個の質問をするから その答えから今のあんたが必要としている花を選んでみようか ひよ エモ( /? ) あり 心理テストに近いかもしれないけど それを選ぶかどうかはあんた次第ってことさ まぁ、レクリエーションみたいなものだと思ってやってみない? ▼ひよとありは、語りの間ずっとエモーションで  会話するような動きをする。 語り 花屋さんはひよに10の質問をした。 ひよはあまり考えずに、素直に答えていくと ▼花屋 一度舞台左で退場して、語りが終わったら再度入る 語り 花屋さんはお店の奥から1つだけ鉢を持ってきた。 あり これはフローライトっていう花でね 夜になると花が咲く ・・・らしいんだ エモ( /汗 ) ひよ らしいって? あり エモ( /あの ) 持ってよく見てごらん ひよ あ、結構軽いんですね 見た目から重そう鉢なのに・・・ あり ちょっと変わった素材を使っているからね ほら、小さなつぼみがいくつもあるだろ? このお店に来てもう1ヶ月なんだけど ずっとつぼみのままでね・・・ ひよ 咲くかわからない花を売るのはどうかと思いますが・・・ あり たしかにね・・・ でも、咲かすことが出来れば、きっと良いことがあるよ 夜にしか咲かない花ってね・・・ 願いを叶えてくれる力を持っていると言われているから 純粋に咲くことを願う・・・ 咲くと信じる気持ちがあれば 咲かす事だって出来るかもしれないぜ ひよ 花屋さんが咲かせないなら、私は枯らすだけかも・・・ あり いや〜、俺らってきれいな花を売る事が目的だろ? お金が欲しいからきれいに咲いて欲しいって願うからな だから、その願いはあまり純粋じゃないってことだ エモ( /笑い ) だから、きっと咲いてくれないんだよ ひよ お金儲けは商売人なら願うものじゃないですか? あり 愚問だな それは人間心理であって、植物には通用しないのさ エモ( /笑い ) ひよ そんなものでしょうか・・・ でも、咲いてないのに、このいい匂い それじゃ・・・ これをがんばって咲かせてみようかな あり まいどあり 花が咲いたら願いをかけるのを忘れずにな ひよ 願い・・・ですか あり きっと願いを叶えてくれると思うぞ そうそう、もし咲いたらぜひ教えてくれよ 今日はこちらで出しているけど お店はアルベルタにあるから あ、これ、お店の名刺ね ▼あり ひよの近くにいってエモ( /うんうん )  ひよ エモ( /うれしい )を出しながら舞台右に退場する 語り ひよは不思議な花「フローライト」を持って花屋を後にした あり 願いは絶対に叶うと信じて育てるんだよ ▼ありは蝶で消える。 語り  その夜・・・ ▼ひよ 舞台右から登場して、舞台中央へ。 左を向いて座る 語り ひよは静かにずっと花を見つめてました ひよ エモ( /e15 ) 今日買ってきて、すぐに咲くとは思えないけど・・・ (少し間をあける) ひよ 願いが叶う・・・か・・・ 本当に叶うのなら・・・ 私は・・・ 語り 花を購入してから1週間が経ちました つぼみは未だ変化なしです 夜に咲く花ということだから、ひよは毎日寝不足・・・ ▼ひよ 毒ビンで倒れる 語り ついには体調を崩して倒れてしまいました ▼ひよ 蝶で舞台から退場 ▼静歌 舞台右から登場 静歌 花を見ていて体調不良なんて学校には言えないよな お見舞いにでも行くかな・・・ エモ( /e16 ) お、あそこにはいるのは・・・ ▼ブラフ 舞台左から登場 静歌 お〜い、委員長〜 ブラフ ん、なんだ、暇人・・・ 静歌 相変わらず嫌味な奴だ・・・ そんなことより、こんなところにいるなんて珍しいね ブラフ 先生から頼まれてな・・・ 病人に届けてほしいそうだ お前、病人と友達だろ 暇なら一緒に付き合え 静歌 人にものを頼む態度じゃないね 1人で行くのが恥ずかしいだけじゃないの? エモ( /e13 ) ブラフ 愚問だな・・・ 病人とはいえ、男が女の家に行くんだ 恥ずかしくないわけないだろう 静歌 ・・・なんで、ひよはこんな奴のことを エモ( /ふん ) ま、ちょうど私も行こうと思ってたところだから しょうがない、一緒に行ってあげるよ ブラフ ・・・ ▼2人は舞台右に退場 語り 月日は流れ、季節は春から夏へと移り変わりました フローライトは、いまだ咲こうとはしません・・・ ▼お婆ちゃんとひよ 舞台中央に移動 お婆 ほら見てごらん、ひよ 今日は十五夜、しかも満月だよ ひよ ほんとう? あ、たしかに丸い・・・ しかも、ちょっと青い? お婆 おや、珍しいね・・・ エモ( /あはは ) ひよはお月様への願い事は決めたかい? ひよ 願い事? お婆 お月様にはいろいろと言い伝えがあってね〜 十五夜のお月様に願いをすると叶うとか まぁ、迷信がほとんどじゃが・・・ まぁ、闇を照らすお月様を大事にしてたのは確かだね ほら、「様」をつけてるから ひよ お月様・・・ お婆 そこから願いを込めれば叶うという話が いつしか生まれたんだろうね・・・ どうじゃ、何か祈ってみては・・・ ▼ひよ 客席近くに歩いていく ひよ 私の願い・・・ 今の私はこの花が綺麗に咲いて欲しい・・・ (少し間をあける) ひよ あ! もう月の色が黄色だわ・・・ 神秘的で良かったのに・・・ お婆 泡沫の蒼月だったね〜 もしかしたら、願いが叶うかも・・・ エモ( /e13 ) ▼お婆 しずかに舞台右に退場 語り するとどうでしょう! 月の光に照らされたつぼみが一斉に開花していくじゃありませんか ▼ひよ エモ( /! )を出して、語りの近くに移動 ひよ あ!咲いた! 花が咲いたよ! お月様に祈ったからかな! エモ( /うれしい ) エモ( /あはは ) そうだ! 明日、花屋のお兄さんに報告に行かなきゃ! ▼ひよ 舞台右に退場 語り 翌朝 ひよは花を持って花屋に行きました。 ▼はな 舞台左から登場 語り近くで待機  ひよ 舞台右から登場 はなの近くに移動する。 はな いらっしゃいませ ひよ エモ( /キョロキョロ ) はな 何かお探しですか? ひよ えっと・・・ 今年の展示会の時にコレを買ったんですけど・・・ はな エモ( /あはは ) それはありがとうございます! ひよ 花が咲いたら、見せて欲しいって店員さんが・・・ はな そうですか えっと・・・、どの店員さんかな? ひよ エモ( /e16 ) えっと、男の方なんですけど・・・ はな うちは男性は雇ってないんだけど・・・ べつのお店じゃないかな? ひよ えっ、でも・・・ こちらのお店が本店だと伺いましたが・・・ ほら、名刺もありますし。 はな エモ( /! ) たしかにうちのですね・・・ どんな方でした? ひよ えっと・・・ ▼ひよと店員 エモで会話 はな う〜ん、雇った覚えがないわね ひよ そんな・・・ ▼ブラフ 舞台左から登場 ブラフ おばさん、やっておいたよ エモ( /! ) ひよさん・・・、なぜこんなところに? ひよ え、委員長・・・ エモ( /無念 ) えっと・・・、委員長こそどうして? はな なになに?2人は知り合いだったの? ブラフ クラスメートだ はな そうなの〜♪ こいつは私の甥でね〜 夏休みだから手伝いにきてもらってんのよ こいつ、将来は花屋さんになりたいからって ブラフ エモ( /! ) 勝手なこと言ってんじゃねぇ! はな 照れなさんなって! エモ( /最高 ) おっと、話がそれたわね 春にもこいつは手伝いに来てたけど・・・ 知り合いなら顔見れば解ることだしね ひよ そうですか・・・ それじゃあの人はいったい・・・ はな ほら、今日はこれで終わりにしてやるから 彼女、家まで送ってきな ひよ いえ、1人で帰れますから ブラフ ・・・ はな 行ってこないと・・・ ▼スパナが見えるようなスキルを使う ブラフ わかったわかった・・・ ほら、行くぞ ひよ あ、はい・・・ ありがとう・・・ ▼2人は舞台右に退場  社の裏を回って舞台左に移動  はなは、エモ( /ハート )を出して、舞台左に退場  2人ははながいなくなったら、舞台左から登場  1歩ずつ歩きながら会話して、舞台右まで行く ひよ 委員長・・・ ブラフ ・・・ ひよ 花屋さんになりたいことって内緒にしておいたほうが・・・ ブラフ ・・・愚問だな ひよ 愚問ですか・・・ (間をあける) ひよ でも・・・ 私しか知らない彼の秘密 ちょっとうれしいかも・・・ ▼2人は舞台右に退場 語り その夜・・・ フローライトは枯れてしまいました 花の命は短い・・・ ▼ひよと静歌 舞台右から登場  舞台中央で会話する 静歌 一昨日咲いて、昨日枯れたの? なんじゃそりゃ・・・ ひよ でも、綺麗だったし・・・ 静歌 あんたがそれでいいならいいけどさ そういえば、あそこの美味しいケーキが食べ放題だって! 今から行かない? ひよ よく食べるわね・・・ 静歌 レッツゴー! ▼静歌 舞台左に退場 ひよ 花が咲くと願いが叶う・・・ ・・・もしかして、彼と話をしたいと願ったから 昨日彼と一緒になれたの・・・かな? ▼ひよ 舞台左に退場 語り そして月日は流れ、また幾度めかの春がやってきました 放送 「本日は、アマツ花の展覧会20にお越しくださいまして」 「まことにありがとうございます」 「ご来場の皆様にご案内いたします」 「メイン会場にて、劇団うたかた月夜の公演」 「『メッセンジャー』が行われます」 「観劇は無料ですので、お友達をお誘いのうえ」 「ぜひともご来場くださいませ」 ▼ブラフ 舞台右から登場して、中央に移動する ブラフ ようやく展覧会でお店を開くことが出来た おばのお店を受け継いでから初だから よい花を提供しないとな・・・ ▼ひよ 舞台右から登場 ひよ おはようございます ブラフ ようやく来たか・・・ 5分の遅刻だぞ ひよ スタッフ整理券が見つからなくて・・・ ブラフ エモ( /… ) まぁ、いい それよりも見てくれ ひよ これは? ブラフ これは蒼い光を浴びると咲くように改良した俺の自信作だよ 品種改良を重ねて、やっと販売できるまでに至った まだ名前を決めてないんだが・・・ ひよ エモ( /! ) これは・・・フローライト? ブラフ フローライト? いい名前だな まだ名前を決めてなったけど お前がそれがいいなら それで売り出すとするか! 蒼い光なんて滅多にあるわけないから 偶然にも光を浴びて咲いた花を見たら 願いが叶うとか書いてみるかな エモ( /くすくす ) ひよ 待って! これってあなたが品種改良した花よね? ブラフ 愚問だな・・・ エモ( /e13 ) 誰にも話してなかったんだ 今は世界で1つだけの花だよ ひよ それじゃ、昔私が買ったあの花はいったい・・・ ・・・でも、いいわ 私の願いは叶ったんだもの! エモ( /うれしい ) 語り あの日、ひよが買った花「フローライト」は いったいなんだったのか・・・ 目の前にあるものは別の花だったのか・・・ 今はもう過去の出来事・・・ でも、確実なのは・・・ ひよがその花に込めた願いは 今という時間を過ごしていること フローライト・・・ それは想いを叶えることの出来る不思議な花・・・