月見野悲恋   〜前編〜  登場人物 ・誠一         →sek@n ・美和         →かすみ ・地主(美和の父) →夜姫 ・村人A         →ひよ ・役人         →ありんちょ ・藤堂(誠一の戦友)  →コウ茶 ・語り         →待宵  小道具  ・少女の日記 ・彼女の想い ・宛のない手紙 ・古いほうき 語り   今宵、月の光に誘われて・・・      浮かび上がるものがたり・・・      儚きその影を踏んだのは誰かしら・・・            時代は大戦の最中      そんな中では、いたずらに運命を弄ばれた二人のことなど、      取るに足らない、つまらぬものね   ←(エモ/イヤイヤ)      それでも月の気まぐれでしょうか・・・      月光の下に晒されてしまったのなら、      お話しましょう・・・         ↑「語り」話し終わったら、左を向き(エモ/!)を出す         「語り」が向いた方向から、「誠一」と「美和」登場         入れ替わるように「語り」右の舞台端にいき待機         「美和」舞台中央まで歩く 美和   ねぇ、誠一さんっ 早く来て下さいなっ 誠一   そんなに急がなくたって良いじゃないか         ↑「誠一」発言後、(エモ/笑い)を出しゆっくりと舞台中央まで歩く 美和   だって、ひと月ぶりですよ      折角の時間が勿体無いですっ    ←(エモ/うんうん)      あっ、桜並木が見えてきましたっ 誠一   今年も綺麗に咲いてるみたいだな 美和   はいっ      やっと、誠一さんと一緒に桜が見れますっ      嬉しいなっ    ←(エモ/うれしい) 誠一   ・・・そうか、それじゃあ早く行かないとな    ←(エモ/笑い)         ↑「誠一」発言後、右に退場 美和   あっ、おいてかないでください〜!         ↑「美和」誠一を追って右に退場         そのとき『少女の日記』を落としていく         「語り」舞台中央へ、日記に気づき(エモ/!)を出し、日記を拾う 語り   あらっ?これは・・・      あの娘の日記ね・・・   ←(エモ/クスクス)      どれどれ、読んでみましょう 語り   【 4月29日(晴れ) 桜の並木道 】         ↑「語り」発言後、舞台左端へ         時間を置いて、「美和」と「誠一」舞台左より登場         舞台中央まで歩く 美和   遠くから眺めてるのも良いですが、      やっぱり近くで見ると違いますねっ 誠一   あぁ、こうしていると、      とても戦争中とは思えないな・・・ 美和   ええ・・・争いなんて      早く終わると良いですね         ↑「美和」発言後、ゆっくり3・4歩歩き、「誠一」に振り向く 美和   そんなことより、今は桜を楽しみましょうよ      ねぇ、誠一さん♪ 誠一   そうだな、      久しぶりに逢えたんだし暗い話は止めとこう            ・・・   ←(エモ/!)      ところで美和、この並木道の向こうは行ったことあるかい? 美和   いいえ、ありませんよ      確か広い原っぱだって、お父様から聞いたことがあります 誠一   じゃあ、桜を見ながら、そこまで歩いてみようか 美和   はい、行ってみましょう      ・・・えっと、誠一さん 誠一   ん? 美和   あの、その、手〜・・・      手、繋いでも良いですか? 誠一   ああ、これでいいかい? 美和   ん・・・   ←(エモ/うれしい) 誠一   じゃあ、行こうっ         ↑「美和」「誠一」右に退場 語り 【 同日 地主の家(美和の部屋) 】         ↑「語り」発言後、「地主」舞台左より登場。         ウロウロしながら(美和を探すように)舞台中央まで歩く 地主   美和!美和は何処だ?      また、誠一とか言う何処の馬の骨とも知らんやつと会っているのかっ・・・      ワシの娘に手を出そうなんて、      けしからん!         ↑発言後、舞台中央付近を再びウロウロする(落ち着かない感じで) 地主   むぅ〜、どうしてくれよう・・・         ↑「地主」発言後、左に退場 語り   【 同日 村の外れの野原 】         ↑「語り」発言後、「美和」舞台右より登場し、そのまま舞台中央へ         すぐ後を追うように「誠一」登場し、美和の傍へ 美和   わー、こんな広い野原が在ったんですね!      私、知りませんでした 誠一   ここはね、周りに何も無いから      月を見るには最高の場所なんだ・・・ 美和   月見ですねっ      キレイなお月さまを眺めながらのお団子は、      とても美味しそうですね〜♪ 誠一   アハハっ、もちろん最高に美味しいさ!      そうだ、次会う時は夜に此処に来ようか?      春なのに月見っておかしいかも知れないけど・・・      此処の月は、本当にキレイなんだよ      どうかな? 美和   はいっ!      次会うときは、夜にお月見ですね 誠一   でも美和、夜の外出は大丈夫かい?      だいぶ、お父さんが厳しいんだろ 美和   誠一さんと会うためですものっ      こっそり抜け出してでも何とかしますよ〜 誠一   ありがとう、美和・・・ 美和   ・・・そろそろ帰りましょうか 誠一   ああ、今日は会えてよかった・・・ 美和   私もです・・・ 誠一   じゃあ、帰ろう         ↑「誠一」「美和」発言後、右に退場         時間を空けて、「語り」舞台端で発言 語り   【 5月10日(曇り) 地主の家(居間) 】         ↑「語り」発言後、         時間を空けて、「美和」舞台左より登場 美和   箸を置いてっと・・・      んーご飯は多めがいいよね      お父様、いっぱい食べるし・・・      お父様ー!朝食の用意が出来ましたよー!         ↑「美和」発言後、「地主」舞台右より登場し「美和」の傍まできて座る 美和   おはようございます、お父様 地主   おはよう、ラジヲをつけてくれ美和 美和   はい         ↑「美和」舞台端の「語り」の傍にラジヲをつけにいく 美和   え〜と、周波数は・・・ 語り   (ラジヲ)ピーッガガッ、ピーッ戦況は・・・ガガッ・・・我が軍が優・・・      ピーッガリガガッ・・・ 美和   この辺かな・・・ 語り   (ラジヲ)ピッガガリッ・・・我が帝国軍の勝利は目前に迫っており・・・ 美和   うん、良いかな・・・         ↑「美和」発言後、元の位置に戻り座る 美和   それでは、いただきますっ 地主   いただきます      ほぉ、今朝は焼き魚か 美和   はい、塩鮭です      お父さま、お味はどうですか? 地主   うむ、いい塩加減だ 語り   (ラジヲ)・・・軍の勝利を確実のものとするべく、兵の更なる増強を決定し・・・ 地主   それに味噌汁も、だいぶ母さんの味に似てきたようだ 美和   お父さま、私のお母様はどんな人だったのですか?      私を産んで、すぐに亡くなってしまったんですよね 地主   そうじゃなぁ・・・      物静かで、料理がとても上手でな〜 美和   (エモ/ウンウン)→      ・・・ 地主   いつも、ワシのわがままを聞いてくれてたよ      でもな、      一度こうと決めたら絶対に譲らないところもあったな 美和   ・・・私もお母様の料理      食べたいなぁ・・・ 地主   美和・・・      すまないな、ずっとワシの世話をさせてばかりで・・・ 美和   (エモ/イヤイヤ)→      私も結婚したら、お母様みたいになりたいな〜 地主   でも、おまえは高齢で諦めかけていたワシらに      やっと授かった大事な子じゃ      できる事なら、ずっとそばに居て欲しいのぅ〜・・・ 語り   (ラジヲ)・・・各地域よりの精鋭、18歳〜28歳までの勇敢な男子を・・・ 美和   お父様、別に私は何処にも行ったりしませんよ      もし、私が結婚しても一緒に住めばいいことじゃない 地主   そうだな・・・そうしたいものじゃ・・・ 美和   さあさっ、冷めないうちに食べましょ      あっ、お水持ってきますね         ↑「美和」発言後、右に退場 地主   ・・・      ふぅ・・・ 語り   (舞台溶暗)         ↑「語り」発言後、「地主」テレポートで退場 語り   【 5月26日(晴れ) 夕暮れの桜並木道 】      (舞台溶明)         ↑「語り」発言後、「誠一」舞台左より登場し中央まで歩く 誠一   良かった、美和はまだ来てないみたいだな・・・      んー、今夜の月は綺麗に見えるだろうか・・・      まあ、雲は少なめだし大丈夫か         ↑「誠一」発言後、時間を置いて「美和」舞台左より登場し「誠一」の傍まで歩く  美和   すみません、遅くなりました      待たせちゃいましたね 誠一   そんなことはない、僕もついさっき来たばかりだから      (エモ/!)→      ん、それは? 美和   あ、これですか      おにぎりですよ      誠一さん、夕ご飯まだ召し上がってないと思って 誠一   そっか、なら月を見ながら食べよう      美和の作ったおにぎりか、楽しみだなー 美和   (エモ/イヤイヤ)→      普通のおにぎりですよっ      さて、だいぶ日も落ちてきましたし、行きましょうか 誠一   月見おにぎりか・・・   ←(エモ/ウンウン)         ↑「誠一」発言後、「美和」「誠一」右に退場 語り   【 同日夜 村外れの野原 】         ↑「語り」発言後、「誠一」「美和」舞台右寄りに登場 美和   キレイ・・・      こんなお月さま、初めて見ました・・・ 誠一   なぁ、キレイだろ      この野原に浮かぶ月は特別だと思うんだ・・・ 美和   ・・・ 誠一   あぁ・・・良い眺めだな〜 美和   ・・・ 美和   う〜〜さ〜ぎ〜う〜さ〜ぎ〜♪      な〜に〜み〜て〜は〜ね〜る〜♪      じゅう〜ご〜や〜お〜つきさ〜ま〜み〜て♪      は〜〜ね〜る〜♪ 誠一   (エモ/!)→      「うさぎうさぎ」だね 美和   ねぇ、誠一さん・・・      この歌、なぜ兎はお月さまを見て跳ねるかわかりますか? 誠一   (エモ/きょろきょろ)→      うさぎうさぎは、ただの童歌じゃないのかい 美和   いいえ、今でこそ童歌ですが、      元々はこの国に古くから伝わる御話なんですよ・・・ 誠一   そうだったのか   ←(エモ/ウンウン) 美和   ・・・むかしむかし、あるところに      それは仲のよいオスとメスの2羽のうさぎがおりました      でも、オスのうさぎはいたずらが大好きでいつも悪さばかりをしてました      メスのうさぎの注意も聞かず、いたずらを繰り返していたオスのうさぎは      とうとう神様の怒りをかって、お月さまに閉じ込められてしまい      止まった時間の中で、永遠と餅をつく罰を与えられるのです・・・      大好きなオスのうさぎをお月さまに閉じ込められ      一羽残されたメスのうさぎは      悲しくて・・・寂しくて・・・三日三晩泣き続けました      そして、オスのうさぎの影が見えるまあるい月の晩には      なんとか傍に行こうと      高く・・・高く跳ねるのです・・・         ↑「美和」発言中、『うさぎうさぎ』説明劇を舞台中央で行います         ゲスト出演として、           メスの兎役「氷澄愛彩さん」           オスの兎役「しーまさん」           神様役  「りしりあさん」         の、三人に演じてもらう事にしましたので         よろしくお願いします         なお、説明劇の脚本は別途用意してあります 誠一   ・・・そんなに悲しい歌だったんだ 美和   だから      うさぎの眼は真っ赤なんですよ・・・ 誠一   でも、いきなりどうしたんだ美和? 美和   ・・・ 美和   ねぇ・・・誠一さん      誠一さんは、どこにもいなくなったりしませんよね? 誠一   ・・・いなくなるわけないじゃないか 美和   それでも・・・ひと月に一度会えるかどうかなんて      私、寂しいですっ・・・ 誠一   ・・・美和 美和   ・・・ 美和   (エモ/!)→      あ、すみません・・・      あれれ、どうしたんだろ私ったら・・・      お月さまを見ていたら、なんか切なくて・・・ 美和   その、気にしないでくださいっ      今のは無かったことにしましょう      ねっ、誠一さん! 誠一   ごめんな、美和・・・      僕もホントは毎日でも会いたいんだけど・・・ 美和   そんな・・・謝らないでくださいなっ      私、どうかしてたんです・・・      今のままでも、じゅうぶんしあわせなのに 誠一   ・・・美和 誠一   グ〜ッ(腹のなる音) 美和   (エモ/笑い)→      えっと、おにぎり食べましょうか 誠一   こんな時でも、腹のなる自分が情けない・・・(エモ/泣き) 美和   (エモ/笑い)→      梅とオカカ、どちらにしますか? 誠一   ・・・ 誠一   両方 語り   (舞台暗転)         ↑「語り」発言後、「誠一」「美和」右に退場 語り   【 同日夜 帰り道 】      (舞台溶明)         ↑「語り」発言後、「誠一」「美和」舞台右より登場し中央まで歩く 美和   誠一さん、今宵はとてもキレイなお月見に招待していただき      ありがとうございました♪ 誠一   (エモ/うんうん)→      そんなにかしこまらなくったって 美和   でも、あんなにキレイなお月さま・・・      初めてだから・・・ 誠一   そうだな、今度はちゃんと秋に観に来たいね 美和   でしたら、秋の名月も観に来ましょう      私としては、こんなにキレイなお月さまならいつでも観に来たいですよ 誠一   たしかにそうだな 美和   ・・・ 美和   ・・・誠一さんといっしょに・・・ 誠一   今、なんか言ったかい? 美和   ・・・   ←(エモ/イヤイヤ) 誠一   ・・・じゃあ、暗いから足元気をつけて 美和   はい、おやすみなさい誠一さん・・・ 誠一   おやすみ美和・・・         ↑「誠一」発言後、「美和」左に退場         そのとき、「美和」は何度か振り返り(エモ/パー)で手を振る(別れを惜しむように)         「誠一」も「美和」が舞台から消える直前に一度だけ(エモ/パー)で手を振る 誠一   ふぅ・・・      やっぱり、美和は寂しかったんだな・・・      ・・・      よし!・・・決めた!         ↑「誠一」発言後、右に退場 語り   【 6月18日(雨) 地主の家(玄関)】         ↑「語り」発言後、「役人」舞台右寄りに登場 役人   地主はいるか!      軍の者だ!早く開けろ!         ↑「役人」発言後、「地主」舞台左寄りに登場 地主   はいはい、いま開けますゆえ         ↑「地主」発言後、「役人」の傍へ 地主   地主はワシですが、なにか御用ですかな 役人   うむ、御国のほうで今回更なる軍備強化が決まり      兵器増産のため各地域や村から鉄・銅などの金属の徴収をおこなう!      よってこの村からも、クワなどの農耕具、また寺の鐘等を徴収する! 地主   そんなっ、待ってください      そしたらワシらは畑仕事をどうやってしたらいいんじゃ? 役人   そんなことは知らん! 地主   そんな御無体な・・・ 役人   ジジイ、御国に逆らうとどうなるか判ってるだろうな・・・ 役人   ああ、そうだった      金属の徴収を少なくすることもできるぞ! 地主   本当ですか? 役人   ああ、代わりに徴兵をおこなう      10名だ!ただし若い力のある男子に限るぞ!      誰を選ぶかは、地主、お前が決めろ!      御国の命令だといえば、誰も逆らえまい・・・ 地主   (エモ/うんうん)→      ・・・わかりました 役人   では3日後、金属と兵を役所に届けろ!         ↑「役人」発言後、右に退場 地主   めんどうな事になったな・・・ 地主   (エモ/!)→      ん、待てよ・・・      そうか、これを利用して美和に付き纏うあの男を・・・      そうかそうか・・・   ←(エモ/クスクス)         ↑「地主」発言後、左に退場 語り   【 同日 村の通り 】         ↑ 「語り」発言後、「誠一」「美和」左より登場 美和   雨、止みませんね・・・      せっかく誠一さんと会えたのに 誠一   そうだな、これじゃあ出かけるのは中止だな 美和   そうですね・・・ 誠一   ・・・美和っ 美和   なんですか誠一さん 誠一   ホントは今日の帰りに言おうと思ってたんだけど・・・ 美和   はい? 誠一   美和・・・      僕と結婚しよう! 美和   ・・・      え、え〜っ!      わわわッ、あの、えっと、ホント・・・ですか? 誠一   ああ、本当だ      美和、僕の妻になってくれ! 美和   ・・・うれしいっ      うれしいです・・・   ←(エモ/泣き) 誠一   いままで、家族もいない独り身の僕なんか・・・      地主の娘である美和とつりあうはず無いって      ずっと、迷ってたんだ・・・      でも、もう迷わないよ!      もう、美和に寂しい思いはさせたくないんだ! 美和   誠一さん・・・うれしい・・・   ←(エモ/泣き) 誠一   じゃあ、近いうちに美和のお父さんにご挨拶しないと・・・ 誠一   いや、やっぱり今日挨拶に行っていいかい?      こういうことはきっと早い方が良い! 美和   はい♪      お父様もきっと喜んでくれますっ 誠一   行こう!         ↑「誠一」発言後、「役人」左より登場しそのまま右より退場          舞台中央付近通過時に(エモ/あくび)を出す          「誠一」は「役人」が(エモ)を出したら左に退場し          「美和」も後につづいて退場 語り   【 同日 再び地主の家(玄関)】         ↑「語り」発言後、「美和」「誠一」舞台右寄りに登場 美和   お父様、ただいま戻りました♪         ↑「美和」発言後、「地主」左より登場し美和の傍へ 地主   おお、おかえり美和      (エモ/!)→      おや、そっちの男は? 美和   お父様、紹介しますね      彼は誠一さんです♪ 地主   ・・・ 誠一   はじめまして、お父さん      誠一といいます      実は今日は、お父さんにお話があって参りました         ↑「誠一」発言途中、遮るように「地主」発言する 地主   ん、誠一?      おお、もしかして      確か今回の徴兵の名簿に載ってたな      丁度良い・・・ 誠一   え? 地主   誠一君、君は今回の徴兵で兵役につくことにあいなったのじゃ      いやいや、こんな名誉なことは在るまい 誠一   はい? 美和   え? 地主   実はついさっき、役人が家にみえてな      この村からも10人兵役につくことを伝えに来たのじゃ      その中に誠一君、君の名前も載ってたのだよ      喜びたまへ      ワハハハッ! 美和   そんなッ・・・      どうして誠一さんがっ!      嫌ッ!・・・嫌ですッ! 地主   美和、黙ってなさいっ 誠一   そうですか・・・      判りました・・・ 地主   3日後までに役所にいきなされ      誠一君、頑張りたまへよ! 地主   美和、今日はもう家に入りなさい!      ワハハハハッ!  ↑「地主」笑いながら左に退場 誠一   ・・・      美和・・・      明日の晩、外れの野原に来てくれないか・・・         ↑ 「誠一」発言後、右に退場 美和   どうして、誠一さんが・・・      せっかく・・・      やっと・・・      うぅ・・・ううぅっ   ←(エモ/泣き)         ↑ 「美和」発言後、左に退場 語り   (舞台溶暗) 語り  【 6月19日(晴れ) 村外れの野原(夜)】 語り   (舞台溶明)         ↑「語り」発言後、「誠一」「美和」舞台右より登場 誠一   美和・・・      結婚、しばらくお預けになってしまったな・・・ 美和   ・・・はい      仕方ないです・・・ 誠一   美和・・・      待っていてくれるかい? 美和   ・・・ッ      当たり前じゃないですか!      待ってます!・・・待ってます!      だから、誠一さん・・・      絶対に帰ってきてください・・・ 誠一   ああ、約束する!      帰ってきたら真っ先にここに来る・・・      そして、美和と結婚する! 美和   約束・・・ですよ・・・      この月の下で、また会いましょう      ねぇ・・・誠一さん 誠一   ああ、この月の下で会おう (エモ/!)→      ・・・美和、ちょっといいかい 美和   ・・・はい? 誠一   左手を上にあげて 美和   こうですか・・・? 誠一   (エモ/うんうん)→      そしたら、薬指を月に重なるように・・・ 美和   あっ・・・ 誠一   こうすると、指環をはめてるみたいだろ      僕が帰ってきたら、本物の指環を渡すから・・・      それまでは・・・この月の指環で我慢してくれないか 美和   誠一さんっ・・・、ひぐッ・く・・うぅっ・・   ←(エモ/泣き) 誠一   泣かないでくれよ      必ずちゃんとしたのを用意するからっ 美和   (エモ/イヤイヤ)→      違っ、そうじゃ・・・ひっくッ・・・なくて・・・      うれ・・・しくて・・・ふえっ・・・んっ      誠一さん・・・ 誠一   ん 美和   ありがとう・・・   ←(エモ/キス) 誠一   美和・・・ 語り   (舞台溶暗)         ↑「語り」発言後、「誠一」「美和」テレポートで消える 語り   そして、      誠一は美和との約束を胸に、      戦争に行ったのでした・・・      〜つづく〜      ・・・      でも・・・      なぜに二人は、月の下で願い、誓ってしまったのでしょう・・・      よりによって気まぐれな月などに・・・      (エモ/くすくす)→      まったく、愚かな二人・・・      (エモ/!)→      あらっ、そろそろ狐の出る時間のようですね      それでは、本日はこのくらいで・・・               ↑「語り」発言後、テレポートで消える